網上葉の書き方


その壹  基本構造


東川吉嗣


  ここでは、インターネットで表示される箇々のページを「網上葉」といふ。この網上葉のファイルを作るには、テキスト編輯ソフトを立ち上げて使ふ。「テキスト編輯ソフト」の代表として、ウインドウズの「メモ帳」がある。そのほかに、ワードや一太郎などの、文章作成ソフトも使へる。

  まづ、「英數半角」の入力モードで

<html>

</html>

と入力する。ファイルの記述内容全體を、この「<html>と</html>で挾む」ことで、このファイルが「htmlファイルであること」を宣言する。「htmlファイル」は網上葉のことで、英語の「ハイパーテキストマークアップランゲッジ(Hyper Text Markup Language)」の略で、網上葉ファイルの先頭に「<html>」、最後に「</html>」と書き込む。

次に「<html>と</html>の間」に、

<head>

</head>

と入力する。この「<head>と</head>で挾む」ことで、この網上葉についての情報を記述。「head」は「あたま」といふことで、このファイルの先頭に位置する。更に「<head>と</head>の間」に

<title>

</title>

と入力する。この「<title>と</title>の間」に、この網上葉の表題を書く。
例へば、この網上葉の表題を「網上葉の書き方」とするならば、
「<title>網上葉の書き方</title>」とする。かうすれば、網上葉を閲覧したときに、閲覧ソフトの表題表示欄に「網上葉の書き方」と表記される。
  次に、「</head>の後に」

<body>

</body>

と入力する。この「<body>と</body>の間」に、この網上葉で表示したい本文を書き込む。
  たとへば、「これが、このページの本文です。」といふ内容を表示するには、

<body>
これが、このページの本文です。
</body>

とする。
  次に、「<body>と</body>の間に」

<address>

</address>

と入力する。この「<address>と</address>の間」に、この網上葉の著者の名、所番地、連絡先、電子飛脚の宛先、著作權事項など、「著者事項」を書き込む。
  たとへば、「何野何兵衞。東京都千代田區神田萬年町參丁目五番。電子飛脚 nanibei@kanda.co.jp 平成十五年十月。Copyright C 2003」
と表記したいならば。

<address>
何野何兵衞。東京都千代田區神田萬年町參丁目五番。電子飛脚 nanibei@kanda.co.jp 平成十五年十月。Copyright C 2003
</address>

と入力する。この「<address>と</address>の間」に書かれた記事は、閲覧ソフトにも依るが、傾いた文字など、他の本文とは異なる書體で表示される。
  以上で、一番簡単な網上葉の構造が出來上がつた。基本構造は次の通り。

<html>
<head>
<title>
</title>
</head>
<body>
<address>
</address>
</body>
</html>

  これに例文を入れた物が

<html>
<head>
<title>網上葉の書き方</title>
</head>
<body>これが、このページの本文です。
<address>何野何兵衞。東京都千代田區神田萬年町參丁目五番。電子飛脚 manibei@kanda.co.jp 平成十五年十月。Copyright C 2003 </address>
</body>
</html> 」

  出來上がつたファイルを「名前を付けて保存」する。この時、擴張子を「.htm」もしくは「.html」とする。ファイルの名前の付け方は任意であるが、ウインドウズの基礎になつてゐる「エムエスドス」では「ファイル名は英數半角文字で、八文字まで。擴張子は三文字」との制限があるので、出來るだけ、この條件を滿たすやうにする。また、インターネットの網上葉を収納する機械「ウエッブサーバー」の設定で、ファイル名の指定が無い場合はその區畫にある「index」といふ名のファイルを示すやうにしてある場合があるので、「自分のページの玄關や目次に相當するページなど、まづ初めに見て貰ひたいページ」には「index.htm」もしくは「index.html」と名付けるべきである。
  今、試しに、

<html>
<head>
<title>網上葉の書き方</title>
</head>
<body>これが、このページの本文です。
<address>何野何兵衞。東京都千代田區神田萬年町參丁目五番。電子飛脚 nanibei@kanda.co.jp 平成十五年十月。Copyright C 2003
</address>
</body>
</html>

を内容とするファイルを「index.htm」といふ名で保存して、インターネット・エクスプローラなどの、閲覧ソフトで開いて見ると、閲覧ソフトの「ファイル名を示す欄」に「網上葉の書き方 - Microsoft Internet Explorer」などと表示され、「アドレス欄」には「C:\tmp\index.htm」などと、そのファイルの在處」、そして「本文欄」には

これが、このページの本文です。
何野何兵衞。東京都千代田區神田萬年町參丁目五番。電子飛脚 nanibei@kanda.co.jp 平成十五年十月。Copyright C 2003

と表記される。

  これまでの説明で推測できるやうに、「<html>」は、「ハイパーテキストの開始」を宣言し、最後に「</html>」でその終了を宣言する。また「<head>」が「頭部分の開始」を宣言し、「</head>」がその終了を宣言する。このやうに「<」と「>」で圍まれた宣言を「</」と「>」で圍んで示すことで、その宣言の終了を示す。一部、終了宣言を必要としない宣言もあるが、特定の宣言をしたら必ずその宣言の終了宣言をするのが原則である。
  ハイパーテキストの指令は、必ず英數半角の文字を使ひ、ローマ字の大文字と小文字の區別はしない。この網上葉講座では、小文字を用ゐる。


附けたり
○用語 - コンピュータはアメリカで開發され、その上にインターネットはアメリカで發想、開發、規格化されたことから、關聯用語はアメリカ語で名付けられたものが多い。しかも、技術の進展が速いために、我が國に採り入れられた技術が充分に根付いて、ふさわしい大和言葉が育つ前に、更なる技術發展が進むので、關聯用語の國語化が追ひついてゐない。そのため、コンピュータ關聯用語はいづれも、生煮えの言葉か、アメリカ語の借用にとどまつてゐる。アメリカ語の用語をそのまま片假名にして、意味が判つたつもりでゐても、それは浮ついた理解意識にすぎない。
○インターネット - アメリカ言葉で、「ネット」は「網」、「インター」は、言葉の頭に付いて、「あいだにある繋がり」を示す。情報通信の結びつきを「あみ」に見立てて、その網が、世界中で互ひに大きな網に結びついた状態を「インターネット」といふ。「網際通信」といふこと。
○ハイパーテキストマークアップランゲッジ - 「ハイパー」は「ずば抜けた性格」を、「テキスト」は「文字情報」を、「マークアップ」は「印づけ」を、「ランゲッジ」は「言葉」を意味するアメリカ言葉。印づけした言葉を手掛かりに、引き紐が着けてあるので、ネットワークに繋がる餘所のコンピュータの中にある情報を引き出すことが出來る。その仕組みを書き表はす約束事をいふ。
○テキスト - 文字情報のみで、しかも、文字の大きさ、その書體、行間や、一行あたりの文字數、文字の色、などの指定を含まないものを指す。テキストで使へる文字情報は、日本語の場合、「漢字、ひらかな、カタカナ、句讀點、括弧、改行、文字無しの空間、など」で、ほかに「ローマ字、ギリシャ文字、數學記號、○△などの飾り記號、など」がある。
目次へ  その貳
この網上葉の履歴
○平成二十九年四月十六日、電子飛脚の宛先番地の訂正。
○平成二十二年四月二十四日、電子飛脚の宛先番地の訂正。
○平成十五年十一月十七日、掲載開始。

制作者  東川吉嗣  平成十五年、乃至二十九年
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