雲陳の言葉の診療所・研究室

讀めない・下手な割付との御指摘について

一日の始まりは笑顔で明るい挨拶から
 言葉の診療室の讀者、一木鹿次さんから、このほど私用電話で御意見が寄せられました。當人の許可を得て、議論の素材として使はせて戴きます。このページでは議論の性質上横書きの體裁で表現致しました。フォントは「標準の設定」です。
素材として當人から掲載を許された文章は次の通りです。文章は電子メールを「ウインドウズ九十八のもとでアウトルックイクスプレス」で受信して保存した物から、該当個所をコピーしました。このページの製作にはウインドウズ九十八のメモ帳で「.html」ファイルを作成しました。一木さんの御意見文章も含めて、メモ帳の中で改行の箇所に「<br>」の改行指令を入れました。
   ※※※ 次行より御意見 ※※※

 ひとつ、内容ではなく形式の問題で貴ホームページについて云わせていただき

たいのですが、文字が小さすぎて画数の多い漢字はつぶれてしまっていて読めな

いこと、そのため二回ほど拡大表示してやっとつぶれは解消しましたが、それで
も、行間はたっぷりあっても字間が詰まりすぎていて、やはり読みにくかったと

いうことです。
 私は以前からホームページを見るたびに、行間字間の恐ろしく詰まった日本語

文字列の氾濫に呆れ返ったものでした。これまでの出版文化における日本語文字

レイアウト技術の歴史的達成をまったく無視した、読む者に苦痛を強いる貧しい

表示体系しか持たぬのに、何をネットサーフィン云々とありがたがっているのか

と……。次々と世に本を送り出している文筆業者立花某の東大研究室のホームペ

ージを覗いてみても、やはり拘束具を咬まされたような同じような息苦しい文字

列が並んでいるばかりでした。文筆で生計を立ててきた者ですら、この無神経ぶ

りですから、他は推して知るべしです。もちろんホームページに文章をのせる場
合、技術的、経済的、プロバイダ等の制約から逃れることはできないでしょう
が、
少なくとも書物、雑誌という紙媒体で生活の糧を得てきた者は、できるかぎり電

子文の文字レイアウトを出版物のそれに近づけるということを肝に銘ずるべきで

しょう。もっともディスプレイ上の標準的なフォントサイズで表される画数の多

い日本語漢字の多くは画数を減らした偽漢字なのですが……。

   ※※※ 前行まで御意見 ※※※
 御意見の主旨は
一、本文の文字が小さくて、そのままでは讀めない。
一、よそのページも含めて、インターネット上での文章割付が、これまでの出版文化での成果を充分には生かしてゐない。
の二點だと思ひます。この「言葉の診療室」では早速、文章の割付を改め、讀み易いページ作りを心がけたいと思ひます。
 インターネット上での文字書體や割付の問題は極めて重要な問題を提起して下さつたと思ひますので、一つ一つ、ぢつくりと考へて自分なりの考へを示して行くつもりです。ここでは回答または問題解決への手がかりとして今お答へできる範圍で記しておきます。
 そこでまづ第一に、文字情報を電氣信號化してインターネットのサーバーの機械の中へ保存し、見る人は、それぞれの機械とソフトにより文字情報に還元して受け入れて自分の機械に表示させるといふ、コンピュータ技術の仕組みそのものに由來する問題が在ります。そして、英語の書き順である「左から右へ、改行は上から下へ」といふ書式を前提に作られたコンピュータソフトにより、「上から下へ、改行は右から左へ」といふ國語の書式をどう實現するかといふ問題も絡んできます。單に英語に倣ひ、横書きにすれば良いといふことではないでせう。これに關聯して、「上から下へ、改行は左から右へ」といふモンゴル語や滿洲語など、「右から左へ、改行は上から下へ」といふアラビア語やチベット語などでは、コンピュータでの表記はどうしてゐるのか、御存知のお方はおヘへ下さい。
 一木さんのおつしやる「電子文の文字レイアウトを出版物のそれに近づける」といふことはある意味では簡單です。紙へ印刷したやうな割付と書體で版下を作り、それを畫像データとして取り込んだものをインターネットのページとすればよいのです。さうすればページ制作者と同じ基本ソフト、同じ閲覧ソフト、同じディスプレイを用ゐる限りにおいて紙に印刷した版面に近いものが閲覧できませう。しかし、この場合は遣り取りすべきデータ量が多くなり、インターネットといふ仕組みの長所をそいでしまふことになりかねません。インターネットといふ仕組みは開發當初の軍事目的から發展して、今では商賣や遊びなど何でも目的として應用されてゐるわけですから、「データ量の極端に多い文字中心のページ」を作ることも、それを讀みたいと思ふことも、それは全く自由です。しかし、インターネットは「情報を細かく分割して、小さい情報單位として、とにかく目的の場所へ屆けて元の通りに再編成して示す」といふ原理に求心的な力が働いてゐることは否定できません。その力はインターネットを使つて情報を送る者にも受ける者にも、經濟的および技術的な規制として作用します。そのやうな規制の中で、如何に經濟的に國語の傳統に忠實な正しい表記が實現できるかといふことだと思ひます。決して、「文章は内容の意味さへ傳はれば良い」といふものではありません。インターネットのページ閲覧ソフトには、文字フォントの大きさが標準設定として自動的に決められてゐるものがあります。大きな文字に設定し直すことが出來れば、見た目の字體は大きく出來ます。字間や行間もそのやうな設定變更が出來るのかどうかについては判りません。
 一木さんの御指摘のなかの書體の問題はコンピュータと國語についての最大の問題點であると考へてゐますので、今後詳しく檢討して行くつもりです。今は問題項目を擧げてみます。ほかにも項目を御指摘戴ければ幸ひです。
○標準的に使はれてゐる漢字コードに不備が多いこと。
 漢字の正字が無いのに、略字や別字がある。使ひたい時にその文字が無い。
 コードの割當基準が場當り的ではないか。
○假名の入力にもワ行やヤ行で不便が多い。「ゐ」や「ゑ」、その片假名。
○古來、國語表記で使はれてきた「こと」、「より」などの二文字を一文字で表記する文字が無い。
○テキスト文では振り假名など、國語の傳統表記を實現出來ない。  これらの問題について、「超漢字」や「古今文字鏡」といつた文字ソフトの試みが盛んですが、コンピュータ利用が普及すればするほど、「基本システム」に「標準装備」として組み込まれてゐる「標準辭書」、「標準フォント」、「標準ブラウザ」、「標準應用ソフト」と稱する物が壓倒的な力でもつて既成事實を主張し始めます。商業原理が國語の眞理を押しつぶしかねない勢ひです。
  (以上、平成十二年七月十六日)
坊垣河原雲陳

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○平成十五年拾月十六日、電子飛脚の宛先を更新。
○平成十四年十一月十四日、體裁を更新。
○平成十四年十月十八日、更新。
○平成十三年正月六日、更新。
○平成十二年七月十七日、掲載。
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