よくある質問

　　（答）　　　該當のページを掲載、あるいは發表してゐる當事者が、そのページの著作權について「抛棄する」とか「自由使用を許す」といふ風に表明してゐれば、その當事者の意圖に反する使ひ方をしない限り、自由に利用出來ます。ただし、その際にも、該當ページの出所や、制作者名などを明らかにして、轉用したことを明らか にしておく必要があります。インターネット上の番地と、それが何月何日現在のものかを明記するべきでせう。
　　　該當のページもしくは「ホームページ」と稱する目次ページや玄關ページに「著作權抛棄」などの意志表示が無い場合は、「著作權法上での自由使用」を例外として、印刷や再配布は「違法行爲」となります。該當ページの著作權者に問ひ合はせて許可を得て下さい。
　　　インターネット上にはしばしば、著作權者との連絡が取れない、連絡先が不明、などの事情で著作權者との交渉が出來ない場合があります。そのやうな時は、一定の著作權使用料を供託金として納めてその著作物を使用できます。

　　　次に、講習會の資料としての利用に即して、具體例を考へてみます。

　　　一、該當ページの全部もしくは、そのページを含む一連のページを印刷して配布する。あるいは社内ランなどで、聴講者へ配信する。これは著作權者の許可が要ります。ページ全部でなくても、「纏まつた單位で」あるいは「全體の大部分を占める部分」を印刷配布、配信することは著作權者の許可が要ります。
　　　二、講習會の講習内容の補助資料として、批判資料として、あるいは參考資料として「このやうな意見がある」、「このやうな表現方法がある」といふ説明の補助資料としての印刷や配信は、「著作權法上の正當な引用」となりますが、「引用資料が主體」となるやうな使ひ方は「正當な引用とは認められない」でせう。
　　　三、社内ランを用ゐての講習會で、參考になるページとしてインターネット上のページの番地を�ﾍへて聴講生にそれぞれ閲覧させることは、一般のインターネット利用の形態から見て、著作權者への許可は不要です。
　　　四、著作權法上許されるいづれの使用法でも、他人の著作物の一部もしくは全部を勝手に書き換へることはできません。著作權者の表示を勝手に無くしたり、表示方法を変更したりすることもできません。著作權者の意圖に反するとみなされる利用もできません。


(平成十三年七月七日）

　　（答）本屋さんに並んでゐる本は、通常は自由に手に取り、中を見て、あるいは「立ち讀み」することが出來ます。しかし、その本を自分の所有物にするには代金を支拂ひ、買ひ取らねばなりません。更に、買ひ取つて自分の物になつても、その内容を書き變へたり、複製したり、轉載したりするには、著作權者の許可が必要になります。著作物の内容を讀んで、自分の頭腦の中に冩し込む、あるいは頭の中に複製することは、著作權法で言ふ複製には該當しません。また、純粋に個人的な非營利目的で、家庭内のやうな狹い範圍で利用するために物理的に複製することは、「私的利用」として許されてゐます。
　　網際通信は極めて容易に「コピー」して、複製物を容易に發信できる條件を備へてゐます。そのやうな環境で情報を發信する、あるいは著作物を公表することと、著作權を抛棄することとは全く別のことです。
　　網際通信で實際のページを閲覧してゐると、著作權の主張をしてゐないページが多く見られます。中には「ホームページ」と言はれる目次ページや扉ページにのみ著作權の主張を記し、その枝ページには何も書いてゐないものもあります。著作權の抛棄を明言してゐない限り、無斷複製は著作權の侵害となります。

(平成十二年十二月十二日）

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